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悪化した十二指腸潰瘍は手術の必要も出てきます

十二指腸潰瘍は、胃と腸の間にある十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍ができる病気です。
多くの場合は、手術なしで薬物による治療ができます。
しかし悪化して出血が酷くなってしまった場合や、腸壁に穴が開いてしまった場合などは、手術による治療が必要になることもあります。
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜の防御機能が損なわれることによって発生します。

通常、十二指腸の粘膜は、強酸性の胃酸や消化酵素を含む胃液によって傷つかないように、自身を防御する仕組みを持っています。
しかし、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬、さらにはストレスによってこの防御機能が弱まると、粘膜や組織が損傷し、十二指腸潰瘍の症状が現れてきます。
十二指腸潰瘍の治療は、重症化しない限り、ほとんどの場合は手術なしで行われています。
潰瘍の原因がピロリ菌である場合は、まず菌を除去する薬剤を1週間程度使用します。
非ステロイド性抗炎症薬が原因の場合は、その使用を中止します。
そして原因を取り除いた後、胃酸の分泌を抑え、粘膜の防御能を高める薬剤を一定期間服用し、これによって回復を図っていきます。

症状がそれほど重篤ではない場合は、こうした内科的治療が選択されるため、入院を伴う手術の必要はありません。
しかし、症状が悪化している場合は、手術による治療が必要になってきます。
潰瘍による痛みなどの強い症状が続く場合や、潰瘍からの出血量が多い場合は、薬物治療による効果が出るまでの時間を待てないため、手術療法が選択されることがあります。

また、潰瘍によって幽門(胃と十二指腸の間)に閉塞が起こっている場合も手術が必要になります。
十二指腸潰瘍の症状がさらに悪化すると、潰瘍の部分から十二指腸の腸壁に穴が開いて、腹膜炎の症状が現れてしまいます。
こうした場合には特に早急な手術が必要になります。
十二指腸潰瘍の手術のほとんどは、潰瘍部分にこのような穴が開いてしまった場合に行われています。

大網被覆術とはどんな手術方法?

十二指腸潰瘍の手術には、大網被覆術という方法がとられることが多いです。
大網とは、胃からカーテンのように垂れて小腸部分を覆っている脂肪組織です。
手術では、十二指腸に穴が開いている場合、まずその穴を縫合してふさぎます。
そして、その上からこの大網の膜をかぶせて縫い付けます。
これが大網被覆術で、腹腔鏡を使っての手術となるため、手術にかかる時間は開腹手術より短くなります。
また開腹手術よりも体を切る部分が小さくなるため、患者への負担が小さくなり、合併症の可能性を少なくすることができます。

手術は入院を伴い、入院期間は平均して2~3週間程度になることが多いようです。
大網被覆術は比較的合併症の可能性が少ない手術ですが、全く心配が無いとはいえないため、手術後しばらくは発熱や痛みがないかに注意が払われ、血液や画像によって術後の状態を把握することが必要になります。
入院や手術となると、医療費の負担が心配されますが、幸い十二指腸潰瘍の手術や入院は保険適用の対象となっています。
そのため、保険外治療や先進医療のように莫大な費用が必要になることはありません。

入院した場合は、1日あたりの医療費が約3万5000円程度(保険適用前)で、3週間入院したとすると、総額は約65万円程度になります。
したがって、保険の3割負担となる場合は、20万円程度が必要額として見込まれます。
高額療養費制度を適用した場合は、70歳未満で一般的所得のある人の場合だと、月ごとの自己負担の総額は8万4000円に収まることになります。

ただし、これはあくまで目安としての一般的な費用です。
入院の期間によって治療費は増減しますし、病院によって価格の設定は異なります。
個室を利用した場合は差額ベッド代がかかりますし、他の病気を併発している場合はそちらの治療費も必要になります。
具体的な治療費については、入院する病院に問い合わせることが最も確実です。